長谷川 貴輝さん(H.GREENWORK)

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出身地: 青森県西津軽郡鰺ヶ沢町
メロン農家に生まれ、4年前に脱サラし、専業農家となる。

二児の父であり、鰺ヶ沢農業の若きホープ。

「糖度」「硬度」にこだわったメロン栽培と提供を行い、具体的に消費者と意見交換のできるような顔の見える農業を目指す。

生産物 メロン(5種)、長いも、ごぼう、等
生産のこだわり 「糖度(17度)」「減農薬」
こだわり語録 「口に入れる瞬間までメロンを見届けたい」
趣味 子育て&メロン育て 

食べる人の顔を見て、「め!」という声が聞きたい。

「メロメロメロン王子」と名付けたいような、メロン一筋の生産者に鰺ヶ沢で出会った。
脱サラから4年目、まるで子どものようにメロンを可愛がり育てる長谷川さん。「農家は毎年一年生の繰り返しなんだ。育てるのは愉しいしワクワクだけど、最後に収穫して売り切るまでドキドキハラハラもする怖い仕事でもあるんだ。」と、ほどよい地元の訛り言葉で、丁寧に言葉を選びながらと話す長谷川さん様子に、とても正直な人柄を感じた。長谷川さんは、神奈川県の学校に通った後、地元の農業関係の組織に就職をしたが、結婚を機に、お父さんの代から30年以上続くメロン農家の跡取りとして専業の道を歩み始めている。4年目とはいえ、子どものころからの農業を手伝っているからメロンとのつきあいは実はとても長いそうだ。学校の卒業時点では、都会の企業の内定も決まっていた。しかし、長谷川さんはその内定を蹴った。田舎に帰って農業に関わらなければと内定が出た瞬間に思ったそうだ。農家の三男として生まれ、必ずしも農業を継がねばならないわけではなかった。それでも長谷川さんは農業から離れてはいけないと思ったそうだ。理由は本人にもはっきりとわかるものでもない。長谷川さんを育んだ何かが、長谷川さんを動かしたのだろう。

専業農家に戻るにあたって、長谷川さんはH.GREENWORKと名付けた名刺を使い始めた。お父さんから受け継ぐノウハウに加えて、新たな取組みへのチャレンジする想いを、名刺の屋号に託しているようだ。

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糖度の数値化とは手間ひまを数値化する事でもある

「糖度と硬度のバランス」が、それぞれの人の「め!(旨い!)」につながる

長谷川さんの具体的なチャレンジは、メロンの美味しさを「糖度と硬度」で表すという共同研究でスタートしたそうだ。糖度という言葉は誰でも一度は耳した事があると思うが、本当に美味しいのが何度なのかは素人にはなかなかわからない。さらに、メロンの美味しさは複雑で、甘さも大事だけれど、口に含んだ瞬間の食感も美味しさに関係するだそうで、とろけるような果肉が好きな人、ちょっと固めのしっかりした果肉が好きな人、人それぞれメロンに対する期待が違うので、一人一人の好みに合わせた売り方をするためにも、数値も含めて情報として納得して買ってもらいたいそうだ。
糖度計メーカーと代理店の三社で始まった「糖度・硬度指標化研究」は、今年で4年目。一年に一度しか収穫できない農産物をサンプルにして平均的なデータを取るのはなかなか大変なことだ。それでも3年を経て、ようやく一般的な指標としてつかえるだけのサンプル数が溜まり、今年、そのデータを携えて直接販売の現場に出かける準備が整ったと語る長谷川さん。長谷川さんのメロンは、普通に甘いと言われている標準値14度から、さらに2度も3度も高い16〜17度にもなるそうだ。

糖度を高める事は手間暇をしっかりかけることと正比例する長谷川さんは言う。つまり、そのチャレンジは手間を数値化する事ともとれる。結果的に正当な価格での購買に繋がるのだと思う。

長谷川さんは、羨ましがられるほど儲けたいという。それは、単にお金が欲しいからということだけではない。農家になりたい人が増える状況をつくりたいのだという。長谷川さんの住む集落で農家35軒のうち跡取りがいる農家は長谷川さんのお宅だけだ。それほど農業が仕事として経済的魅力のない職業に成ってしまっているのが実態だろう。青森の農業は都会に近い農家とはさらに厳しい条件が重なる。大消費地との距離、一年の四分の一は農業ができない冬の厳しさの問題、それらを超えてでも後継者が増える状況をつくりたいのだという。企業の内定を蹴って農業に選んだときと同じ使命感がが長谷川さんをうごかしているように感じる。この人のメロンなら、自信をもって人に勧められると、正直そう思った。

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ひとつひとつのメロンを我が子のように育てる
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「メロンを口にいれる瞬間まで見届けたいから、自分で売りたい」

長谷川さんには、流通に対するもうひとつチャレンジしたい課題がある。“食べた人の喜ぶ顔が見たい” “美味しいと唸る声が聞きたい”、ということだ。つまり顔の見える流通づくり。今までの流通や直売場に乗せてしまうと、誰が食べたかわからない。そのことに物足りなさを感じているそうだ。丸投げの販売から脱却し、直接対面販売で納得のいく説明でメロンの背景まで知ってもらって、本当に美味しいって買ってもらえたら、それが、わ(自分)にとっての農業の喜びだという。
長谷川メロンは3月の定植から収穫までの5ヶ月間、毎日のように手作業で育てあげられる。毎日毎日、メロンのいちいちが可愛くってしかたないそうで、元気がない時は「元気になれよ」って声かけまでするほど。だから買った人がメロンを口に入れるまでを見届けたいそうだ。まさにメロメロメロン王子と名付けた理由はここにある。鰺ヶ沢農業の将来を担う重要な若手ホープの長谷川さん。柔和なタッチだが芯の強さはとても頼りがいがある。ぜひ、鰺ヶ沢のメロン王を目指してほしいと思った。

お問い合わせ

【H.GREENWORK】
住所:青森県西津軽郡鯵ケ沢町北浮田今須前田6
EMAIL: hasegawa@ajitama-rainbow.com

 

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